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2022/03/15 07:30 - No.1150


第1回 『窓』からインテリアを考えてみる


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インテリア、暮らしのトレンド発信
インテリア情報局 from YKK AP

2022/03/15 07:30 - No.1150

 
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◆窓からインテリアを考えてみませんか?

皆様はじめまして、YKK APインテリア情報局と申します。この度、A-PLUGにて暮らしやインテリアにまつわる情報を発信させて頂くことになりました。

毎回、業界に関わる様々な方にインタビューを行い、皆様の住まい提案にお役立ちできる情報を発信していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い致します!


◆「YKK APらしい最初のテーマは?」で考えてみました。

私共は、住まいにまつわる色々な商品をご提供させて頂いておりますが、やはり一番に思い浮かぶのは「窓」だと思います。そこで「窓からインテリアを考える」を最初のテーマとさせて頂きました。住まい提案、インテリアに精通されている「インテリアスタイリストの中田 由美さん」にご協力を頂き、皆様にお伝えしていきたいと思います。


◆心へ作用するテキスタイルで、暮らしに彩りを。

【情報局】
住宅メーカーから家具メーカーまで幅広い分野でスタイリングをされている中田さんから見て、最近感じる変化はありますか?

【中田さん】
多くの方が自宅で過ごす時間も増え、身の回りの環境を見直す機会も増えたと思います。「見ため」だけではなく「暮らし方」がどう良くなるかを考えて素材や機能を選ぶケースが多くなったと感じています。今は換気も重要で、そういった意味では「窓」は暮らしづくりに重要な部分の一つだと思います。
そこにエッセンスを与えるアイテムであるカーテンの存在はインテリアとしても見逃せません。建築とインテリアをつなぐような存在であり、空間の中で大きな面積を占めながら、住まう人のパーソナルな気持ちを投影できるアイテムだと思います。

【情報局】
確かに、カーテンは空間の印象を左右する要素ですね。でも、これまで窓をお勧めするときにカーテンまで考えるケースは多くなかった気がします。

【中田さん】
それはとても勿体ないかもしれません。窓辺を思いっきり自由に楽しみたいと思っておられる施主様も多いのではないでしょうか?でも同時に「自由に選んで良いと言われても、どう選んだらいいのか悩んでしまう。」と思います。だからこそ、住まいを提案するプロの側も意識してみても良いのかなと思います。

窓を開ける時に触れる素材感は毎日を気持ちよくさせてくれますし、風でふわりとなびく動きは部屋全体に立体感を与えてくれます。
また、テキスタイルが持つストーリーを知ること、テキスタイルの素材そのものの美しさや視覚からわきあがる自身の感情。空間への作用だけでなく、自分自身がどのように感じるか?という心への作用に注目し、窓の演出を考えてみるのも一つの手ではないでしょうか。

【情報局】
なるほど、確かにそうですね。今回、中田さんにはトレンドを牽引する2つのテキスタイルブランド《クヴァドラ(Kvadrat)》と《サコ(SAHCO)》について情報をまとめて頂きました。
この2つを通じてカーテンの魅力をこの記事を読んでくださっているプロユーザーの皆様にもお伝え頂けますか?


◆「身の回りにあるものに対してストーリーを感じ、感覚や感情を解放する」

【中田さん】
「身の回りにあるものに対してストーリーを感じ、感覚や感情を解放する」という視点は、今回2つのテキスタイルブランドから登場した新作コレクションでも提案されています。具体的なコレクションの内容をご紹介させていただきます。

まずはデンマークの《クヴァドラ(Kvadrat)》の2021年の秋よりスタートしたコレクション〈ストーリーラインズ(Storylines)〉を一部抜粋してご紹介します。


創造性の源の一つであるライン(=線)や糸を構文に、テクスチャー、パターン、色の間に存在する空間に注目。これらのコンセプトに語り手の視点を取り入れたという〈ストーリーラインズ〉コレクション。


風景を水彩画のような世界へと変容させる、シンプルな構造の半透明の平織りカーテン〈Watercolour〉 。

 
(右)密度の異なるストライプのリズミカルなラインに、デジタルダイレクトプリントを重ねた〈Rush〉
(左)透明感のあるベースに緻密で不規則なラインが美しいコントラストをなす〈Rush Plain〉


(右)北欧に広がる白樺林の、静かで活気に満ちた美しさを表現した半透明のテキスタイル〈Birches〉
(左)"あらゆる線は点から始まる" という概念を表現して作られた、星空のような〈Starting Point〉

一見シンプルなように見えますが、光の変化とともに、リズミカルなラインや色のプリズムが視覚を引き付け、立体的な素材が物語を媒体するように様々な現象を生み出します。
潮の満ち引きのように変化する動き、カーテン越しの風景がラインや拡散する色の集合体への変化。このような感性に訴えるグラフィカルで触感豊かな表現を可能にしているのは、ボリュームやテクスチャーの撚糸、極細の金属糸など、さまざまな糸を使用した緻密な織り構造や仕上げ、様々な工程によるものです。また、自然光や真夜中の空にインスパイアされたカラーパレットは、モダンな感覚をプラスしたニュアンスカラーが揃い、内装材やインテリアに心地よく馴染みます。
遠くからも見ても、近くから見ても、1日の中、季節ごとの光の移り変わりの中で空間に物語を紡ぐような美しい変化が感じられる。日常のささやかな現象の中に美しさを発見する楽しみがあふれたクレクションになっています。

続いて、ドイツ発祥のテキスタイルブランド《サコ(SAHCO)》の2022年1月よりスタートした〈イヴォーク(Evoke)〉コレクションについてご紹介していきます。

感覚と感情に語りかけるような、美しさと個性が融合したカーテンテキスタイル7種、インテリアテキスタイル4種の全11種で展開される〈Evoke〉コレクション。Photo: Casper Sejersen)

 
(右)フレスコ画や壁画から着想した、スケールと抽象性を探求したジャカード織りの〈Murale〉
(左)〈Evoke〉コレクションのカーテンテキスタイル。


(右)クラシックなストライプをシルクのようなジャカードで表現した〈Graphics〉
(左)雰囲気溢れる抽象的な花柄のシアー生地〈Puya〉


(右)オーガンジー生地の上に海の生物を思わせる有機的な模様が揺らめく<Corallium>
(左)しわ感のあるセミシアー生地の微かなストライプ模様と淡いカラーパレットが優美な<Fantome>

《サコ》のデザインディレクター、アナ・ヴィルヘルミン・エベセン氏は以下のようにコメントされています。

「私たちは、もっと表現力を豊かにし、感情をオープンにしなければならない時代に生きています。もっと夢見がちになることを許してあげても良いのかもしれません。このコレクションは、目と心を自由に解き放ち、それぞれの個性や生活を反映した空間作りの一助となります。」

自然界の有機的なフォルム、陰影、影、幻影、ジャン・コクトーの壁画、コンスタンティン・ブランクーシの彫刻、現代アート、抽象芸術からインスピレーションを受けているという〈Evoke(イヴォーク)〉コレクション。伝統を尊重し、クラシカルな表現をふんだんに取り入れながらも、直感的で現代的な鮮やかさも備えています。

新しい技術を導入し、豊かな手触り、パウダリーでドライな仕上げなど、芸術的なプリントや刺繍による抽象的な表現を実現。一貫性を持ちながら様々な表情を見せ、一見不完全に見えるものや、矛盾しながらも調和を感じさせる色と質感の組み合わせでコレクションが構成されています。
また、個性を持ったテキスタイル同士を組み合わせることで、それぞれの魅⼒を引き出すとともに、空間に足を踏み入れた時のエモーショナルな五感が呼び覚まされる感覚が生む効果も。
テキスタイルが持つストーリーを知ること、そのものの美しさや組み合わせ、引き起こす現象。そのようなことに触れた時にわきあがる感情に注目することは、空間にその人らしさを反映する⼀助になりえるとこのコレクションは教えてくれています。

【情報局】
様々な工夫が凝らされたカーテン(テキスタイル)を用いることで、空間に柔らかさを与えるだけでなく、時間経過が感じされる演出も可能なわけですね。家にいる時間が増えている今だからこそ家の中で「五感で心地よさを感じたい」「時間や季節の流れを感じたい」という方はとても増えていると思います。
今だからこそ、改めてカーテンまで含めた住まい提案が求められているのかもしれませんね。

【中田さん】
何かを観察し、自分だけの些細な発見をした時の喜びや高揚感。誰しもそういった経験が少なからずあるのではないでしょうか。それは大人になっても、対象がインテリアになっても同じことのように思います。
自分が時を過ごす環境に対して、心をオープンにし、ワクワクした気持ちを持ち続けること。室内という閉じられた空間だからこそ、一つ一つのモノに対して自分の内面から湧き上がる感情をみつめること。それは日々の心の豊かさにつながり、見慣れそうな風景も心地よいものに感じられるかもしれません。


インテリアスタイリストの「中田 由美さん」をゲストに、本日はカーテンをテーマにご紹介させて頂きました。引き続き様々な方をゲストに招き、住まい提案に活用頂ける情報を発信して参ります。よろしくお願い致します。

 
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