当センター(注:(一社)住まいと土地の総合相談センター)には、家づくりに関する質問や疑問・不安を抱えたクライアントから問い合わせが日々きます。今回から複数回にわたり、技術面のクエスチョンを紹介していきたいと思います。施主は、何が不安なのか?どういったことに質問を抱くのか?を知ることによって日々の業務に少しでもお役立ちになればと思います。初回のクエスチョンは「防水紙」に関するものです。Q:外壁の内側にある透湿防水シートですが、張り替えが必要なのでしょうか?工務店からは、外壁の償却期間や仕様の説明を受けたが、防水紙の説明を受けていないということで当センターに質問を投げかけてきました。皆さんは構造についてはアピールをしていると思いますが、防水に関してはどのような性能スペックで考え、どのようにお伝えしていますか?当社からの回答は下記です。A:使用状況や周辺環境にもよりますが、防水紙メーカーは耐久実験からJIS規格を取得しています。該当の現JIS規格は「A6111 2016」といって2016年に改定されたものです。耐久性区分Ⅱは「耐久年数30年」、区分Ⅲは「50年」が目安となっています。言い換えれば区分Ⅱであれば、製品性能上の耐久年数は超過しているので、張り替えを推奨します。【補足説明】施主は、長期保証という言葉を聞くと、ずっと何もしなくても責任をとってくれると思いがちです。特に最近は、メンテナンスフリーと勘違いしてしまう方が非常に増えてきていると思います。耐用年数や耐久性に関してはきちんと説明をしないとまずいことに発展してしまう恐れが有りますね・・ちなみに現場ではまだ旧適合の2004を使用している現場も見かけます。「同じ防水紙でしょ?」ではないんですがね・・
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1998年
日本大学理工学部海洋建築工学科卒業
大手ハウスメーカー入社 工事課配属
後輩指導とともに約350棟の施工管理に携わる。その後、スタッフ部門にて施工革新による生産向上業務、作業標準マニュアルの策定を経て退社。
2007年
設計事務所・工務店設立
自身にて注文住宅の設計、施工を請負意外に、各ハウスメーカーの軽量鉄骨ALC工法を始め、重量鉄骨、戸建て分譲の木造SE構法木造2*4工法、他木造軸組み工法の住宅現場を施工管理。
10年で管理した現場は新築、リフォームを合わせて、およそ500棟に及び多数の職人指導の実績経験がある。
2013年
住まいと土地の総合相談センター、副代表に就任
インスペクター以外にもコンストラクションマネージメント業務にも従事。
現在は、建築トラブルを抱えるクライアント複数の相談に乗る。