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2025/05/27 17:00 - No.1492


第41回 設備編「換気システムについて(3)」


省エネのキホン
堤 太郎

2025/05/27 17:00 - No.1492

 


引き続きまして、換気システムについてのお話です。
「省エネのキホン」的な視点からの考察をお伝えしていく所存です。

■避けて通れぬ「P」と「Q」

現在、一般的に採用される「計画換気」の概要とは、設計する建物の規模や用途などを踏まえて、
・必要となる換気量を事前に算出
・必要換気量を実現するための換気機器選定、ダクトやフードなどの計画
を経て、施工となります。

その計画時に欠かせないのが「P-Q曲線図」です。
機種選定時のカタログでも表記がありますし、ダクト長や曲り部のエルボ数なども含めた空気抵抗具合の落とし込みなど、様々な場面で目にされていると思います。

第39回でも「比消費電力」の参照用としてさりげなくメーカーカタログから引用しましたが、実は説明をかなり省いておりまして、最終的にメーカー側で風量から算出した各機種、各動作時の消費電力を複数表記したものとなっており、あれだけ見ても何のことやらですよね?

そこで今回は、まずは「P-Q曲線図」の基本的な概要を押さえることで、以降のダクト施工などに関するお話の際の準備としたい所存です。

換気システムを考察するには、やはりここは避けて通れません。

「計画から風量計算まで外注しているので……
「ダクトレス式なので……
「ちゃんと風量測定もしているので……
等々、ご意見もあるかもしれませんが、省エネ効果も含めた幅広い機種選択や、現場で風量不足がわかった場合のリカバー検討など、いつ必要になるともかぎりませんので、是非ともお付き合いください。

ちなみに「P-Q曲線」は、「静圧・風量特性曲線(Pressure-Quantity  Curve)」とも表記しますので、英語の頭文字からの「P-Q」であることが分かります。

早速、「P-Q曲線図」をシンプルに表した概要図を示します。

 
堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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