◆リフォーム市場が拡大へ
◆コロナ禍に住まいへの投資が堅調
矢野経済研究所の「住宅リフォーム市場に関する調査」によると、2021年上半期(1~6月)の住宅リフォーム市場は好調に推移している。
第2四半期(4~6月)の住宅リフォーム市場規模は1兆8422億円と前年同期比24.4%増と推計、昨年秋以降の好調が続いている。第1四半期(1~3月)の市場規模推計を合わせると3兆3496億円と、同18.8%増。また、2020年下半期と2021年上半期を足した直近年間でみると7.0兆円を超えるほどの好調となっている。
分野別にみると、住宅リフォーム市場の大半を占める「設備修繕・維持」分野が同22.7%増と大幅に増加。増改築工事や大規模リフォーム分野の需要回復は鈍いものの、住宅設備機器の交換や修繕などのメンテナンスリフォームが堅調に推移しているとみられる。
コロナ禍で旅行・外食への支出が抑えられていることもあり、「新しい生活様式」に対応する住空間づくりとしてリフォーム関連の支出・投資が堅調に推移しているようだ。
一方、国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査」でも、4~6月の住宅分野の工事受注高は同35.8%増の9159億円と非常に好調に推移したことが明らかになっている。受注高が9833億円であった2019年の第2四半期以来、7四半期ぶりの9000億円台を超える高水準である。
受注高を工事種類別にみると、増築工事が同57.6%増の216億円、一部改築工事が同36.6%増の343億円、改装・改修工事が同41.9%増の6662億円、維持・修理工事が同16.6%増の1938億円となった。
また、用途別、構造別にみると、「木造」の「一戸建住宅」(4890億円、同39.9%増)、「コンクリート系構造」の「共同住宅」(2996億円、同35.9%増)の順に多くなっている。
こうした好調はしばらく続きそうで、矢野経済研究所では、2021年を通した住宅リフォーム市場規模を6.5~7.0兆円と予測する。引き続き住空間・住環境の改善に対する需要が継続するとみているものだ。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2022.01」
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