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2017/12/26 07:48 - No.180


第4回 窓と屋根の仕様


北海道の高性能住宅を探る
大菅 力

2017/12/26 07:48 - No.180

 
高性能住宅を手掛けた豊富な経験を持つ、北海道で活躍する三氏の鼎談の4回目。今回は窓と屋根断熱に関するエピソードをお送りする山本 私の設計で付加断熱仕様の場合、窓を躯体に取り付けて、その後、先張りシートと付加断熱用の受け材を組みます。ただし、工務店の設計施工物件では、躯体ではなくて付加断熱用の受け材にサッシを取り付ける事例が多いようです。内側から見ると出窓のようなかたちになるわけです。この方が納まりは平易で、雨仕舞いも確実でコストは下がります。−通常の半外付けサッシの納まりと同じになるわけですね。透湿防水シートの連続性も簡単に確保できそうです山本 そうなんです。ただし、結露のリスクは高まります。北海道は内外温度差が大きいので、半外付けの納まりだと外側に熱が逃げやすい。APW430のような高性能な樹脂窓の性能をフルに生かすには、壁の中間に窓をもってきたい。そうすると温度ムラが減り、結露しにくくなります  -その代わり窓廻りの納まりが複雑になるわけですね「澄川の家」の矩計図「澄川の家」の断熱部位の詳細「澄川の家」の外観「澄川の家」の内観。リビングからダイニングキッチンを見る「澄川の家」の内観。階段脇のスペースがすのこ状になっており、床下で余熱されたパッシブ換気による空気の通り道になっている窓廻りの詳細。水切りの下地を取り付けたところ窓廻りの板金水切りを施工した様子窓廻りの通気部材の詳細武田 現状は付加断熱における基本的な納まりが普及していません。特に山本さんがやるような連窓の納まりなどは現場ごとに試行錯誤している段階だと思います松田 こうしたところはメーカーが先導して資料をまとめてくれるとありがたいですね−躯体が高性能化していくなか、窓の ..
 
大菅 力
フリーランス

1967年東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退後、木材業界雑誌の出版社を経て1994年株式会社建築知識(現 株式会社エクスナレッジ)入社。月刊「建築知識」、季刊「iA」などの建築、インテリア専門誌の編集長を務める。2010年退社。 現在フリーランスとして、季刊「リノベーションジャーナル」(新建新聞社刊)の編集長を務める。主な著作に「リフォーム 見積り+工事管理マニュアル」(建築資料研究社)、「世界で一番やさしい仕上材(内装編)」(エクスナレッジ)、「心地よい住まいの間取りがわかる本」(エクスナレッジ)などがある。

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