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2020/01/24 09:10 - No.699


第6回 熱の伝わり方(2)


省エネのキホン
堤 太郎

2020/01/24 09:10 - No.699

 
前回は、省エネ計算で扱う温度の単位「K(ケルビン)」や「絶対零度(-273.15℃)」などについてお話しました。今回からは、住宅における「熱の伝わり方」に目を向けて進めていきたいと思います。■「熱が伝わる」とは?タイトルの現象を言い換えますと、「温度差がある物体の間で起こる熱の移動」となり、「伝熱(でんねつ)」とも称します。では「熱」とは?「温度」とは?物体は温度に応じた内部エネルギー(物体を構成する原子や分子の振動や運動エネルギーの合計。金属では自由電子の運動も含む)を持っており、「熱」はこのエネルギーを表す形の一つです。物体に「熱」が流入する(運動エネルギーが増す)と、その分温度が上がり、逆に「熱」が流出する(運動エネルギーが減る)と、その分温度が下がります。そのエネルギーの流れは「熱量:J(ジュール)」で表し、単位時間あたりの熱量は「熱流:W(ワット)」で表します。「温度」はこれらの運動エネルギーの大きさを測る尺度であり、寒暖の度合いも具体的に数値で表したものです。計算では、その数値の単位は前回お話しました、「K(ケルビン)」が用いられます。また「熱」の移動(=エネルギー伝達)に関しては、「熱エネルギーは、温度の高いところから低いところへ流れる」という最重要原則があります。これは「熱力学第二法則」の「熱の不可逆性」から導き出される原理です。■「熱の伝わり方」の区別室内で「熱が伝わる」という形には主に3種類あるという説明を以前しましたが、 それらを解説する前に、「熱移動」という現象を分子レベルのミクロな視点で見ますと、まずは以下の2つに区別されます。◆熱伝導(ねつでんどう):熱エネルギーの拡散です。いわゆる「伝導」や「対流(熱伝達)」はこちらに含まれます。いずれも物質を介し ..
 
堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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