YKK AP株式会社が発行する建築業界情報誌「メディアレポート」の「トピックス」では、住宅業界の最新情報、市場の動向・トレンドをご紹介しています。
LIFULL HOME’S(運営:LIFULL)が「2026年トレンドワード」を発表した。住宅・不動産価格の高騰を受けて住宅市場が大きく変わりつつあることを浮き彫りにしている。
東京圏のマンション市場は、新築・中古ともに過去最高を更新、今後も住宅需要の高止まりにより都心部を中心に新築・中古とも価格上昇が続く可能性が高いとみられている。こうした価格上昇が、新築から中古へ、中心から郊外へという動きにつながっている。
ただ、中古マンションの価格も前年から大幅に上昇。都心6区は言うまでもなく、23区内で1億円超えが築25年未満にまで拡大している。
価格高騰を受けて所有するマンションを売却、資産を現金化(利益を確定)し、よりコストパフォーマンスの高い物件―例えば、中心部から少し離れた環境の良い一戸建住宅―に住み替える「卒・タワマン所有主義」が広がろうとしている。
「タワマン」は高額所得者のステータスの象徴として「住宅すごろく」の一つのゴールに位置付けられてきたが、市場は大きく変わりつつある。
一方、一戸建住宅市場については、住宅需要の高まりのなか首都圏全域で新築住宅の成約件数が増加、在庫件数の減少というサイクルのなかで価格上昇が続いている。一方、中古一戸建住宅の価格は東京23区、都下ともに緩やかな上昇を続けているが、中古マンションに比べれば比較的緩やかな値上がり幅だ。
このように新築・中古マンション、新築一戸建住宅の価格高騰が続くなか、子育てファミリー層が求める広さの物件購入が難しくなっており、価格が比較的安定し広さも確保できる郊外の新築・中古の一戸建住宅へのシフトが起こっている。通勤利便性と快適性のバランスをとった「郊外での心地よい暮らし=こちくら郊外」の需要が高まっているのである。
都心部での高額マンションの需要増、郊外での中古・新築の一戸建住宅の需要増と、消費者ニーズは大きな二極化が進んでいる。
一方、賃貸住宅市場に目を移すと、こちらも賃料上昇が顕著だ。2025年11月の東京23区のシングル向け物件の掲載賃料は2025年1月比で12.2%増。ファミリー向け物件も同様の動きだ。
ただ、東京都下はシングル向け、ファミリー向けともに上昇幅は大きくはない。
また、2023~2024年は新築物件が賃料相場の上昇を牽引していたが、2024~2025年は既築物件でも賃料改定が進んだ。これまで建築費上昇が賃料上昇の主要因であったが、修繕費など維持管理コストも上昇し、既存物件のオーナーが賃料改定に動いたと指摘される。
住宅価格上昇の背景にある資材価格、建設費など全般的なコストアップは東京都に限った話ではない。今後、住宅ローン金利の上昇も見込まれ、住宅取得環境の悪化が懸念される。社会環境の変化のなかで、住宅市況も大きな転換期を迎えていると言えそうだ。

















