インスペクターが考える民法改正【その4】です(前回記事はこちら)■ 民法改正~準備は出来ていますか?新法施行後での契約が直前に迫ってきました。皆さん準備は出来ていますでしょうか?契約書や仕様書の見直しは進んでいると思いますが、どこまでやればいいのか・・それぞれに頭を抱えていることと思います。実際には新法契約以降に、問題が可視化していくと思われますが、それでもできる準備はしておきたいですね。前回のコラムでは、ペーパーに残す工夫を解説しました。実務をこなしている方には釈迦に説法ですが、「工事の難しさ」はペーパーでは表せない個所が無数にありますよね。また、設計図書通りに施工する難しさ(コンマ数ミリ単位)も同様です。最近聞く質問に設計図書の寸法はどのように書けばいいか?というものがあります。心配しているのは、棚の高さをFL+750mmと表記したのに、現場では752mmだった!これって契約不適合になるんじゃないか??ということでしょう。天井高2400mmという表記を≒2400mmにしたほうがいいよね?なんていうのも耳にしますが、すべての寸法を「≒」で表現すると、施工に自信がないのかな??と思われる恐れもありますし(笑)。個人的な見解ですが、こういった部分は神経質にならずにあまり過剰な心配はされなくてもいいかなと思います。今回の民法改正では「瑕疵」が「契約不適合」という言葉に変わるわけですから、原理原則、瑕疵と判定される契約不履行があった場合に大きな問題になる。と理解して構わないのではないでしょうか。そもそも瑕疵とは、本来備えておくべき性能や品質が損なわれていたり、施主が要望したものと相違があることであり、それにより目的遂行が達成できない場合に、トラブル(言い換えれば建築紛争)に発展します ..
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1998年
日本大学理工学部海洋建築工学科卒業
大手ハウスメーカー入社 工事課配属
後輩指導とともに約350棟の施工管理に携わる。その後、スタッフ部門にて施工革新による生産向上業務、作業標準マニュアルの策定を経て退社。
2007年
設計事務所・工務店設立
自身にて注文住宅の設計、施工を請負意外に、各ハウスメーカーの軽量鉄骨ALC工法を始め、重量鉄骨、戸建て分譲の木造SE構法木造2*4工法、他木造軸組み工法の住宅現場を施工管理。
10年で管理した現場は新築、リフォームを合わせて、およそ500棟に及び多数の職人指導の実績経験がある。
2013年
住まいと土地の総合相談センター、副代表に就任
インスペクター以外にもコンストラクションマネージメント業務にも従事。
現在は、建築トラブルを抱えるクライアント複数の相談に乗る。