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 - No.878


第7回 注意しなければならない「構造」の上棟検査時の指摘例


「知らない」ではすまされない! ~【民法改正】で住宅業界の何が変わる?
市村 崇

 - No.878

 
インスペクターが考える民法改正【その7】です(前回記事はこちら)今回も重大不具合(構造)に直結する検査フィードバックのお話です。検査タイミングは上棟検査、金物本締めが該当します。上棟検査では、何と言っても「耐力壁の施工不適」の指摘が目立ちます。写真は某ハウスメーカーのものです。写真の現場はツーバイでしたので、耐力壁端部の釘ピッチは通常@100mmですが、間隔がとんでいるのがわかります。完成引渡し前の竣工検査を第三者インスペクション介入しましたが、他も怪しいということで、出来上がった壁を一部解体すると・・ほかの箇所でも多数、釘施工違反が発覚し、内外装ともに大きな是正工事が実施された案件です。次に指摘が多いのは、「金物施工不適」です。設置忘れなどは言い訳が効かないですが、ボルト・ナットの関係性(締め忘れ、ゆるみ、ねじ山不足)などはかなりの確率で目にします。告示違反の重大不具合なので、きちんとした施工が特に求められますね。民法改定後、問題になりそうな指摘としては、「設計図書指定の寸法不足」が挙げられます。写真は筋かいですが、90mm必要な材幅が87mmしかありません。1分(3mm)足りないという材加工を稀に見ますが、契約違反と言われかねませんので、プレカット業者さんともきちんと約束事をしておくことをお勧めします。なお、すでに済んでいるは思いますが、民法改定で業者間の契約書のまき直しが、まだであれば、至急実施されることを付言します。これら3点の指摘は、特に注意が必要です。次回は、同じように注意しなければならない「防水」のうち、サッシ周りと外壁通気の指摘例を解説します。
 
市村 崇
一社)住まいと土地の総合相談センター

1998年 日本大学理工学部海洋建築工学科卒業 大手ハウスメーカー入社 工事課配属 後輩指導とともに約350棟の施工管理に携わる。その後、スタッフ部門にて施工革新による生産向上業務、作業標準マニュアルの策定を経て退社。 2007年 設計事務所・工務店設立 自身にて注文住宅の設計、施工を請負意外に、各ハウスメーカーの軽量鉄骨ALC工法を始め、重量鉄骨、戸建て分譲の木造SE構法木造2*4工法、他木造軸組み工法の住宅現場を施工管理。 10年で管理した現場は新築、リフォームを合わせて、およそ500棟に及び多数の職人指導の実績経験がある。 2013年 住まいと土地の総合相談センター、副代表に就任 インスペクター以外にもコンストラクションマネージメント業務にも従事。 現在は、建築トラブルを抱えるクライアント複数の相談に乗る。

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