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2020/05/26 14:26 - No.788


第7回 スマホ新機能のテクニック


インスタ・テクニック!
石川 新治

2020/05/26 14:26 - No.788

 
構図から見えること前回には、ビジュアルの構図の大切さと、そのコツを書いてきました。ここで大事なのは、あくまでも住宅のプロとしてのビジュアルのプロデュース力です。それには、カメラ機材の良し悪しはなく、さらにはプロカメラマンだからこそできるテクニックでもありません。今回のテーマは、さらにプロの機材がなくても活かせる構図のテクニックです。最初に事例のビジュアルを上げておきます。このビジュアルは、手持ちのスマホで撮影したものです。上部には、空や屋根を隠すように枝葉が繁っています。もちろん、現実のままを撮影しています。ビジュアル上部の枝葉が、前回に書いた近景です。法則通りにフレームアウトすることで、手前にずっと伸びているであろうことが想像できます。そして、この建物が大きな樹木に囲まれた立地に建っていることがわかります。単純な空を背景にするよりも、リアリティは増します。構図は自然に導かれるところで、このビジュアルを撮ったスタンディング・ポイントを想像してみてください。そうです、構図はカメラを構える場所によって決まっています。この構図でも、少し枝葉が屋根にかかりすぎているように感じます。もう少し前に出れば、近景の樹木は画角の範囲から徐々に外れて、もっと空が見えてきます。その時にはより広角のレンズが必要になり、手持のスマホでは撮影できません。仮に広角レンズを使って前に出ると、背景となる樹木も建物の影に隠れてしまい、遠近感は抑えられてしまうでしょう。また、屋根面も見えなくなってしまいます。そしてなによりも、樹木に囲まれている雰囲気は失われてしまいます。逆にもう少し後ろに退けば、より情景が入り広がりは増しますが、じつは近景となって空に見えてきた枝葉が垂れてきて、主役となるべき建物を隠してしまいます ..
 
石川 新治
一社)住まい文化研究会

明治大学工学部建築学科卒業。1981年ミサワホーム株式会社に入社。技術部設計から販社営業を経て、宣伝部マネージャーとして企画広報活動全般を経験。2007年、MISAWAinternational株式会社にて200年住宅「HABITA」を展開する。住宅の工法、技術、営業、マーケティング、商品化、デザイン、広報、住まい文化など、全般に精通。現在、一般社団法人住まい文化研究会代表理事として、機関紙「おうちのはなし」を発行し、全国の地域工務店の活動を支援している。主な著作に、「おうちのはなし」(経済界)、「地震に強い家づくりの教科書」(ダイアプレス)がある。

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