構図から見えること前回には、ビジュアルの構図の大切さと、そのコツを書いてきました。ここで大事なのは、あくまでも住宅のプロとしてのビジュアルのプロデュース力です。それには、カメラ機材の良し悪しはなく、さらにはプロカメラマンだからこそできるテクニックでもありません。今回のテーマは、さらにプロの機材がなくても活かせる構図のテクニックです。最初に事例のビジュアルを上げておきます。このビジュアルは、手持ちのスマホで撮影したものです。上部には、空や屋根を隠すように枝葉が繁っています。もちろん、現実のままを撮影しています。ビジュアル上部の枝葉が、前回に書いた近景です。法則通りにフレームアウトすることで、手前にずっと伸びているであろうことが想像できます。そして、この建物が大きな樹木に囲まれた立地に建っていることがわかります。単純な空を背景にするよりも、リアリティは増します。構図は自然に導かれるところで、このビジュアルを撮ったスタンディング・ポイントを想像してみてください。そうです、構図はカメラを構える場所によって決まっています。この構図でも、少し枝葉が屋根にかかりすぎているように感じます。もう少し前に出れば、近景の樹木は画角の範囲から徐々に外れて、もっと空が見えてきます。その時にはより広角のレンズが必要になり、手持のスマホでは撮影できません。仮に広角レンズを使って前に出ると、背景となる樹木も建物の影に隠れてしまい、遠近感は抑えられてしまうでしょう。また、屋根面も見えなくなってしまいます。そしてなによりも、樹木に囲まれている雰囲気は失われてしまいます。逆にもう少し後ろに退けば、より情景が入り広がりは増しますが、じつは近景となって空に見えてきた枝葉が垂れてきて、主役となるべき建物を隠してしまいます ..
この続きはA-PLUGに会員登録して
読むことができます!
A-PLUGは工務店様・リフォーム店様などの
建築関係プロユーザー対象の会員制サイトです。