◆はじめに当連載記事では、筆者である私自身の "自宅マンションでの経験" はもちろん、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしている "マンション管理士としての経験とノウハウ" をもとに、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供していきたいと思います。◆「マンション管理士」の認知度はまだ低いのが現状プロのマンション管理士として、筆者が管理組合の顧問を生業に起業してから間もなく10年目を迎えようとしています。マンション管理士とは、マンション管理組合の運営、大規模修繕、その他マンションの維持・管理に関して管理組合の相談に応じ、適切な助言や指導、援助等のコンサルティング業務を行うための国家資格です。ただ、管理組合にしてみれば、日常の組合運営や清掃・設備点検などを委託する管理会社は、「なくては困る存在=必需品」と言えますが、マンション管理士をコンサルタントや顧問として起用することの利点については世間的に認知されているとは言い難い状況です。そこで筆者の顧問先である都内のマンション(105戸)における4年間の成果をご紹介させていただくことで、マンション管理士の仕事や存在意義に対する理解が深まれば幸いです。◆維持管理コストの見直し 5つのポイント<その1> マンション保険契約の見直しまず、この管理組合の理事長(当時)から相談を受けたのは、管理組合で加入している共用部を対象とした損害保険の見直しです。以前は、マンション保険料は建物の築年数だけでほぼ一律的に決まっていましたが、5年前に建物管理や修繕の状況、あるいは過去の事故履歴等を保険料の査定要素に加える商品が登場しました。その査定のための診断を実施する役割として指定さ ..
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