◆はじめに当連載記事では、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしている "マンション管理士としての経験とノウハウ" をもとに、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供していきたいと思います。神奈川県内にある築27年目のマンション(70戸)では、先日の通常総会で修繕積立金を現状比3倍に大幅値上げすることを決議しました。管理組合の理事会において、どのような検討経過を辿ったのかを本記事でご紹介します。◆第2回目の大規模修繕工事の資金が足らない……まず初めに、このマンションの長期修繕計画で予定されている修繕費用に対して、現状の繰越剰余金残高と修繕積立金の徴収額でどれだけ賄えるかを計算してみました。現在の修繕積立金の徴収額を前提とした場合、長期修繕計画で見込まれる修繕費 (832百万円)に対して634百万円の資金不足が生じることがわかりました。(下表参照)上の表ではわかりにくいので、それぞれの金額を「専有面積㎡あたりの月額単価」に換算したうえで同じ内容を示したのが下の図です。長期修繕計画で見込まれる修繕費用(@544円/m²)に対して、積立金の手元残高(@32円/m²)および毎月の修繕積立金(@98円/m²)を合計しても@130円/m²と資金需要全体の3割にも届かないため、修繕積立金を現状比で約5倍(+@414円/m²)の増額改定が必要になる、ということです。◆国のガイドラインで本来必要な徴収額を検証国交省は、新築時に設定されるマンションの修繕積立金が押し並べて低い水準にとどまっていることから、マンションの購入者や管理組合に向けて「均等積立方式で必要とされる金額の目安」を示すガイドラインを公開しています。【 ..
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