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2023/02/21 08:00 - No.1283


第19回 修繕積立金の大幅増額を決めた管理組合の財政事情


知らないと損する!マンション管理組合の現場レポート
村上 智史

2023/02/21 08:00 - No.1283

 
◆はじめに当連載記事では、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしている "マンション管理士としての経験とノウハウ" をもとに、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供していきたいと思います。神奈川県内にある築27年目のマンション(70戸)では、先日の通常総会で修繕積立金を現状比3倍に大幅値上げすることを決議しました。管理組合の理事会において、どのような検討経過を辿ったのかを本記事でご紹介します。◆第2回目の大規模修繕工事の資金が足らない……まず初めに、このマンションの長期修繕計画で予定されている修繕費用に対して、現状の繰越剰余金残高と修繕積立金の徴収額でどれだけ賄えるかを計算してみました。現在の修繕積立金の徴収額を前提とした場合、長期修繕計画で見込まれる修繕費 (832百万円)に対して634百万円の資金不足が生じることがわかりました。(下表参照)上の表ではわかりにくいので、それぞれの金額を「専有面積㎡あたりの月額単価」に換算したうえで同じ内容を示したのが下の図です。長期修繕計画で見込まれる修繕費用(@544円/m²)に対して、積立金の手元残高(@32円/m²)および毎月の修繕積立金(@98円/m²)を合計しても@130円/m²と資金需要全体の3割にも届かないため、修繕積立金を現状比で約5倍(+@414円/m²)の増額改定が必要になる、ということです。◆国のガイドラインで本来必要な徴収額を検証国交省は、新築時に設定されるマンションの修繕積立金が押し並べて低い水準にとどまっていることから、マンションの購入者や管理組合に向けて「均等積立方式で必要とされる金額の目安」を示すガイドラインを公開しています。【 ..
 
村上 智史
株式会社 マンション管理見直し本舗

株式会社 マンション管理見直し本舗 代表取締役社長 村上智史 東京都マンション管理士会所属 マンション管理士・中小企業診断士・宅地建物取引主任者 1964年京都府出身。早稲田大学商学部を卒業後、1987年4月三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事したほか、投資顧問会社出向等を経て2013年3月退職し、同年4月より現職。

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