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2024/03/06 16:00 - No.1380


第6回 情動システム&ランチェスター


情動システム&ランチェスター~売れる工務店のための顧客心理マーケティング&必勝戦略
石川 新治

2024/03/06 16:00 - No.1380

 


集客どうする? SNSどうする? ホームページどうする? 商談どうする? カタログどうする? 商品どうする? 構造どうする? 現場どうする? クレームどうする? 紹介どうする?

こんな迷いを持っている工務店さんは多いと思います。そして、その答えを教えてくれるコンサルタントの先生も大勢います。もちろん、そのアドバイスも的確で役立つことでしょう。

でも、たった2つのマーケティング理論を知れば、自分で考えることができるようになり、道筋を見つけて迷わなくなります。

その2つの理論とは、多くの動物に共通して組み込まれている脳内の「情動システム」と、おそらく誰もが一度は聞いたことがある「ランチェスター戦略」です。情動を使って顧客の心理を知リ、ランチェスターの方程式から導かれる法則を駆使して、売れる工務店になるためのマーケティング入門です。



「怒りシステム」

人間はもちろん動物にも共通する「情動システム」の中でも、最も概念をつかみにくと思われる「パニックシステム」について前回話を進めてきました。そして基本となる4つの「情動システム」の最後である「怒りシステム」を理解するためにも、「パニックシステム」の理解が役に立ちます。

「パニックシステム」が「社会的なアタッチメント」で、群れて仲間との関係を築くのに役立つ「情動システム」であるとすれば、「怒りシステム」は逆に関係を崩す「情動システム」であるといえます。

ただ、少しだけわかりにくいのは、感情として書かれることが多い「喜怒哀楽」の中にも「怒り」があって、感情と情動の違いがわかりにくく思えます。

たとえ同じシチュエーションに巡り合ったとしても、怒る人もいれば怒らない人もいます。たとえ「おばさん」と言われても、感情がコントロールされていれば、むやみに怒ることもありません。そもそも、その発言の行間にも悪意ばかりがあるわけでもありません。それでも怒る人もいれば、怒らない人もいて千差万別です。

理解するために原点である動物の行動の中での「怒り」を探してみれば解るかもしれません。縄張りを侵されたり、獲物を横取りされたりすると、動物も「怒り」を露わにして全力で闘おうとします。ここには千差万別はありません。

どんな動物だって、肉食動物に捕まった時には瞬間的には全力で逃げようもがきます。それが圧倒的に不利なシチュエーションであっても、怯む事はありません。感情的な「怒り」とはちょっと違います。この時のエネルギーを発揮させているのが「怒りシステム」ととらえれば、情動的な「怒り」に近づいているように思えます。

 
石川 新治
一社)住まい文化研究会

明治大学工学部建築学科卒業。1981年ミサワホーム株式会社に入社。技術部設計から販社営業を経て、宣伝部マネージャーとして企画広報活動全般を経験。2007年、MISAWAinternational株式会社にて200年住宅「HABITA」を展開する。住宅の工法、技術、営業、マーケティング、商品化、デザイン、広報、住まい文化など、全般に精通。現在、一般社団法人住まい文化研究会代表理事として、機関紙「おうちのはなし」を発行し、全国の地域工務店の活動を支援している。主な著作に、「おうちのはなし」(経済界)、「地震に強い家づくりの教科書」(ダイアプレス)がある。

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