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2021/08/19 08:09 - No.1070


第17回 外皮について(9)


省エネのキホン
堤 太郎

2021/08/19 08:09 - No.1070

 

引き続き「外皮について」というテーマで「省エネのキホン」的考察を進めたいと思います。外皮熱貫流率の計算に関連する内容については今回で一旦、終了です。

■省エネ基準による評価方法

前回は、外壁の構成を想定して、実際に熱貫流率Uを計算してみましたが、その方法は「標準計算ルート(詳細計算法)」に基づくものでした。

「標準(計算)」があるということは、それ以外もある?

その通りです。

現在、国土交通省からは「建築物省エネ法の戸建住宅の評価方法」として

1. 標準計算ルート
2. 簡易計算ルート
3. モデル住宅法
4. 仕様ルート

という4種類の方法が示されています。

1と2ではパソコン等でExcelによる何らかの計算をするが、2では外皮面積(部位毎の面積・長さ)は計算せずに固定値を使用。

3と4も外皮面積は計算しないが、4では計算する方法もあり。
部位毎の外皮性能については、1と2は各部材の熱伝導率等により計算するが、3ではカタログ等からの数値の転記で可能、4は仕様基準への適合確認のみ。
1、2、3ではUA値やηAC値を求めた上で、一次エネルギー消費量を算出して省エネ基準の適合可否を判断するが、WEBプログラムを利用するのは1と2だけで、3はシートで手書きの計算、4は仕様基準への適合確認、、、、、

正直に申し上げますと、

「ややこしい!」

の一言です。

最低限である省エネ基準への適否を取り沙汰するのに、こんなに種類があるのはいかがなものでしょうか。

 
堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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