引き続き「設備」をテーマとして「省エネのキホン」的考察を進めています。
今回は、これも?と感じる方がいるかもしれないということで、「あえて」エアコンを取り上げます。
■もはやメインの設備でしょ?!
ここ1~2年の間に、高断熱・高気密仕様は当たり前、それに加えて「床下エアコン」や「小屋裏エアコン」を採用している、と仰る工務店、ビルダーが増えてきていると感じます。
現段階では、エアコンの納まりや設置条件など、多様な手法が用いられており、(容量計算や風量確保検討などの裏付けが不明な)感覚的な設計による事例も見かけたりして一抹の危うさを感じる場合もありますが、それはともかく、個人的にはこのような動きを歓迎しています。
なぜか?
それは「竣工時にエアコンが付いている」からです。
ん??
また当たり前のことを意味不明な言い方で!とお思いですか(笑)?
しかし、その状況は今まで(もしかしたら今現在も)当たり前でしたでしょうか。
(ちなみに工期が厳しいので引渡し前に施主工事を先行して、というズルはなしですよ)
あくまで私が見聞き・体験した経験上ではありますが、住宅業界においては従来から慣習的に「エアコン工事は別途。施主工事」とされてきたのがほとんどだと思います(全館空調システムなどの導入時は別として)。
そう、それこそ冷蔵庫などの家電製品と同じように。
まあ、一般的に大型電気店では同じ「家電」フロアで並んでいるということもあり、そもそものイメージや購入~取付けまでのフローが家電製品、電気業者側に分類されるのは仕方のないことかも知れません。
ただし、最近の高い断熱・気密レベルを前提とした場合のメインとなる暖冷房機器がエアコンであるのは異論なきかと思います。
ひと昔前までは、LDKには床暖房、その他の部屋にはエアコンという組み合わせも多かったですが、いまや効果が得られる場所が限られる「採暖」という形式は、コストパフォーマンスや省エネ性が低いという点でも採用されなくなってきているのではないでしょうか。
加えて、入居したその日から快適に過ごせない場合の不満、クレームは無視できません。
ここで二つのデータをご覧いただきます。
一つ目は国土交通省が実施した
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