さて、引き続き「外皮について」というテーマで、「省エネのキホン」的考察を進めたいと思います。今回は断熱材の検討について、お話します。
■断熱材の性能を数字で比較するとは?
まずは、下の表をご覧ください。
第10回 外皮について(2)でもご紹介した、主な断熱材の特徴を並べたものです(「熱伝導率」の数値や各項目の評価については、他でご覧になる資料と多少異なるかもしれませんが、だいたい「このようなもの」というくらいでとらえていただけましたら幸いです)。
そして、この内容を踏まえてお聞きしたいことがあります。
いきなりで恐縮ですが、
1.高性能グラスウール:(熱伝導率0.038W/m・K)
2.硬質ウレタンフォーム:(吹付)(熱伝導率0.035W/m・K)
3.フェノールフォーム:(熱伝導率0.02W/m・K)
を断熱性能の高い順に並べると、どうなりますか?
おそらく全員が、「3,2,1」と回答されると思います。
「熱伝導率」とは各物質(ここでは断熱材)の熱の伝えやすさを数値で表したものであり(資料入手も容易)、その数値が小さいほど「熱を伝えにくい物質である」ということが言えますので、その順番で並べるのは容易です。
では少しだけ質問を変えて、実際に現場での使用も前提として、
1.高性能グラスウール:(熱伝導率0.038W/m・K)厚さ100mm
2.硬質ウレタンフォーム(吹付):(熱伝導率0.035W/m・K)厚さ80mm
3.フェノールフォーム:(熱伝導率0.02W/m・K)厚さ50mm
を断熱性能の高い順に、根拠となる数値と共に並べると、どうなりますか?
慣れた方なら電卓を片手に、簡単な計算ですぐに解答されると思いますが、日頃、こういう計算をしていなければ、意外とすぐに出てこないかもしれません。
建築関係プロユーザー対象の会員制サイトです。